皆様、ぺットシッターフレンドリーのもんちゃんこと門林です。
実はこの4月からペットシッターフレンドリーの提供サービスに、迷子猫の捜索を加えさせていただくことになりました。
世間でいうペット探偵になります。
料金など詳しいサービス内容は紹介ページ がございますのでそちらをご覧になっていただければと思います。
ぼくは今まで、迷子になってしまった猫ちゃんを探し、見つけるお手伝いをすることで、お客様からお金をいただくということに抵抗を感じておりました。
弱みにつけこむ、足元を見る、そんなイメージを持っていたからです。
そして言うまでもないことですが、一度見失った猫ちゃんを再び見つけだすことは大変困難なことで、成功の保証は全くできることではありません。
それどころか実際のところ、はっきりいって迷子猫は帰ってきてくれたら運が良い、それくらいの気持ちでいるほうが、まず間違いありません。
ぼくは猫のプロとして、猫の仲間や猫友さん、これから新しく猫ちゃんと暮らしはじめるかたとお話をする機会があれば、必ず何よりも優先して脱走対策の必要性のあることをお話させていただきます。
ちゅーるや美味しいおやつを一度も食べさせてもらえなくても全然かまわないので、脱走だけはさせないようにしてあげましょう。それが飼い主さんにとって家猫さんにしてあげられる最大最高の愛情です。そんな風にお伝えさせていただきます。
ですが実際には毎日のようにあちこちで猫の迷子騒ぎが発生しています。ぼくの周囲でもたくさん起こっています。
先日も離れたところにいる友だちから、猫を迷子にさせてしまったと連絡を受けました。「姫」と呼び、自らをお世話係と名乗っていた、本当に可愛がっていたかたです。どれほど落ち込み、悔やまれていることでしょう。
そういうぼくも実はもう20年くらい前のことですが、実家の母親が黒猫を一匹、逃がしてしまったことで、迷子猫の当事者になったことがあります。
ぼくが自分自身の手で捕まえ保護し、母親が世話をしたいと言って預けた猫でした。また母親と同居していた姉が大変可愛がっていたので、とても心配し、その頃大阪で活躍されていたペット探偵さんにも捜索を手伝ってもらいました。
しかし残念ながら、その黒猫は未だに帰ってきてはくれません。20年も経った今でも、ぼくはつい車の下を覗きこんでしまいます。姉ともいまだにその黒猫の消息を話すことがあります。
またそれから後のことになりますが、猫関係の知り合いから迷子や脱走の相談を受けたり、捜索を手伝ったり、実際に発見、捕獲に成功したことも幾度とあります。
迷子猫とは少し違いますが、外で保護を必要としている野良猫を捕まえた経験は数限りありませんし、狙った獲物を逃したことはありません。
今、世間には、もちろんここ大阪にも、いわゆるペット探偵を業とされるかたはたくさんいらっしゃいます。経験も技術もきっと持ち合わせた人たちだと思います。
今更ぼくが名乗りを上げる必要はないのかもしれません。
ですが、第一種動物取扱責任者として、猫のプロとして、猫に精通し、迷子猫の当事者になった経験も持つぼくだからこそ、大切な猫ちゃんがいなくなりご心配、ご不安の中にあるご家族様に、より心から寄り添ったお手伝いをさせていただけるのではないか、もしかしたらぼくのこれまで培ってきた経験やスキルが役に立つのかもしれない。
もしかしたら一匹でも迷子になった猫ちゃんを再びご家族の元に帰してあげることができるかもしれない。そう思い、今回ペットシッターフレンドリーの提供サービスにペット探偵フレンドリーを追加させていただく運びとなりました。
先にも書いた通り、迷子猫の発見はとても難しいです。
ただ名前を呼びながら闇雲に探し回って、猫ちゃんがニャーンを返事して顔を出してくれることも、絶対に無いとは言えませんが、その可能性は正直に言って低いです。
猫ちゃんの年齢や健康状態、去勢・避妊の有無、性格、そして迷子になった周囲の環境や状況、発生からの時間の経過、そんな色々な情報から、どのようにして、どのような場所を捜索していけば良いのか、それを考えなければなりません。
想定される選択肢の中から少しでも可能性の高い選択肢を選んで、それに沿って捜索を行う必要があります。
もちろんそれはあくまで確率の問題にはなってきますので、もっとも確率の高いと思われたものが間違っていて、もっともあり得ないと思われた選択肢が正解の場合もあります。それでもやはり一番高いと思われる選択肢を選んで捜索活動にあたるべきだと思います。
それは探す対象が個性も性格も違い、そして動きまることのできる生きた猫ちゃんだからです。そしてもう一つ…。
もし探し物がロレックスの高級腕時計であれば、他の人に拾われることなくそこに時計がある限り、一年後でも十年後でも、いつか見つけることができるでしょう。時計はねじを巻けばきっとまた動きだすことでしょう。
ですが猫ちゃんは命ある生きものです。そしてもちろん命には限りがあります。
慣れない外でごはんを食べることが満足にできているでしょうか。ごはんはお母さんがお皿に盛ってくれるもの、そうやって何年も暮らしてきた家猫ちゃんが、自らの力でごはんを見つけることができるのか。
お水を飲む手段が無かったら、脱水でほんの数日で命を落とすことも珍しいことではありません。
いわゆる外猫の死因では交通事故による死亡がかなりの上位にきます。
また外に長くいればいるだけ、感染症などの病気、ケガ、ノミダニなどの外部寄生虫の寄生、そこから媒介される内部寄生虫、そういった様々な猫ちゃんにとってのリスクが高まります。
人懐こい猫ちゃんであれば、誰かに連れていかれる可能性も高いです。
外にいる期間が長ければ、そういうリスクがどんどん高まっていきます。
だからこそ早急に、色んな可能性の中から最も有力だと思える捜索方法を取る必要性が出てくるのです。ではその最も有力な捜索方法はどうやって導きだすのか?
それができるのは、迷子になった猫ちゃんの性格や個性を一番良くご存じなご家族様、そして猫という生きものの生態や行動に対して知識や経験を持つスペシャリスト、この両者が力を合わせて、その猫ちゃん一匹一匹に合わせた最善の捜索方法を選んであげるしかありません。
ただ単に探し回って無駄に時間を消費するよりも、より精度の高い捜索方法で探してあげることが大切になってきます。
ただ、ぼくは迷子猫探しの依頼は来なければいいなと願っています。それは迷子になって可哀そうな思いをする猫ちゃんに、どの子一匹でもなってほしくはないからです。
昔ぼくが味わったような悲しみを、どなたにも受けてほしくないからです。
人と猫が一つ屋根の下で共に暮らす。
こんなにも素晴らしく幸せなことは他にないはずです。その幸せがほんの少しの油断や気の緩みで、天から地へ真っ逆さまになってしまうのです。
だからこそ、ぼくは猫ちゃんのお世話をしていくうえで、何よりも大切なのは脱走対策だと、いつも言うのです。
脱走されてから何かするよりも脱走されないための何かをするほうが、よっぽど簡単だし意味があると思うからです。
それでも猫ちゃんが一匹、また一匹と迷子になります。
探しだすことは本当に容易ではありません。可能性は低いです。それでも絶望したり諦めては絶対にいけません。絶対に見つけだす。必ず保護する。その気持ちを持って臨むことが大切です。
そのときにぼくの経験やノウハウ、スキルが役に立つ、そう信じたからこそ、遅まきながら迷子猫の捜索をお手伝いさせていただくペット探偵フレンドリーをスタートさせていただきました。
なるべくのことなら、お客様とはペットシッターとしてお会いさせていただきたいと思います。ですが、残念ながらペット探偵フレンドリーとして、お客様の前に現れたときも、精一杯の力を持って、ご家族のために大切な猫ちゃんを再び抱っこさせて差し上げられるよう心から努めさせていただきます。
できればペット探偵フレンドリーの需要の無いことを祈りつつ。
2023年4月
ペットシッターフレンドリー代表
門林賢一郎